祖父が植林した木で造った木の香りする世代を超えて建てた家
娘のマイホームのために、お父様が所有する山の木を伐採・製材するところから建てた和モダン住宅。無垢材や漆喰を至る所に使った自然素材の家。自前の木材が大きな梁になった天井。全面板張りのピアノ室と大容量の本棚。冬に重宝するインナーガレージなど、見どころ満載の家です。ぜひ、現地で完成した家をご覧ください!
■見学会情報
日時:6/22(土)・23(日)10:00~17:00
会場:魚津市吉島 新川高校テニスコート隣
地図:36°49’32.5″N 137°25’31.2″E – Google マップ
予約:予約不要(スタッフ常駐)
「実家の山の木を使って家を建てたい」
まず最初にお施主様から、この様に相談されました。お施主様と一緒に魚津の山に植林された木を見に行くと樹齢50年を超える太い杉やカラマツが広い範囲に植えられていました。ざっくり見た限りでも家を3軒分くらい建てられるくらいの木の量です。奥様のおじいさまとお父様が50年以上前に植林されたそうで、建築に丁度良い太さに成長していました。
長らく、日本の木材は海外産に比べ、コストが高く、植林された木が使われることなく放置されていました。人の手が入らない山は蔓草が木に巻き付き樹木の生長を阻害されたり、倒木も多くなり、荒れています。山の木を伐採して古い木から若い木を新たに植林することで、山が荒れることを防ぎます。また、1本の木のバイオマスの約50%が炭素ですので、炭素が家として固定されることで大気中のCO2を減らし温暖化抑制にも繋がります。新しく植林された若い木が新たに大気中のCO2を吸収して成長します。
今回の建築で山の木を用いることで、ウッドショックから価格高騰している木材費を抑えることができました。また、富山県の県産材の補助金を使うこともできましたので、費用的もお得になりました。
【写真】魚津市の山間部にあるお施主様のおじいさんとお父さんが植林された木(杉、カラマツなど)
木材を伐採したときの様子
【写真】お施主様や伐採に関わる関係者で「木霊鎮め」を行いました。
【写真】樹齢50年の杉を伐採。ある程度、人が伐採して重機が入れる場所を確保しているところです。
【写真】伐採後の丸太
【動画】お施主様のご実家の山の木を伐採している様子
山から切り出した丸太を製材
魚津の山から切り出した丸太を製材工場に移動させ、柱や梁、化粧材などの部材に加工していきます。加工している様子をお施主様にもご見学頂きました。
【写真】製材した板
施工中の室内の様子
魚津の山で育った木の太い梁
梁には山で育った樹齢50年のカラマツの丸太を使用。天井や壁の腰板にも加工した木材を貼っている。壁の上部は漆喰で仕上げています。
壁・天井の全面を板貼りにしたピアノ室
ピアノ室は壁も天井も実家の木で加工した板を敷き詰めました。梁も見せることで高い天井の空間に仕上がりました。壁面にはたくさんの本が収納できる本棚も設置しています。
無垢材の板張りをした天井・腰壁
伐採した木材がたくさんありましたので、天井や壁にも製材した無垢材を使用しました。壁には珪藻土が塗られます。壁には造作の棚や机なども設置しました。
木と聚楽塗りの和室
木を使うことをメインに考え、木の色合いに合った柔らかい色合いの聚楽壁に仕上げました。建具も室内の雰囲気に合う様に造作で制作しています。
車2台止められるインナーガレージ
直接玄関から入れるインナーガレージ。車2台とバイクや自転車が止められる広々した空間です。天井は梁を見える位置で貼ったことで実家の山で育った太い丸太の梁が意匠になりました。
完成後の様子はぜひ見学会場でご覧ください!
肥塚建築の完成見学会では、今から新築やリフォームを考えている方だけでなく、ご近所の方、インテリアや建築にご興味のある方など、どなたでも歓迎しております。ぜひ、お気軽にお越し頂ければ幸です。